社内システムのブラックボックス化は、①現状の棚卸し ②ドキュメント化 ③引き継ぎ先の確保 ④段階的な作り替え——の4ステップで解消できます。
「エクセルのマクロがエラーを出したけど、作った本人が退職して誰も直せない」「ネットワークやパスワードの管理を、詳しいスタッフ1人に任せきり」。専任のIT部門がない会社で本当によくあるご相談です。この記事では、手遅れになる前の具体的な手順を解説します。
なぜブラックボックス化が最大のリスクなのか
システム屋の本音をお伝えすると、社内システム最大のリスクは「古いこと」でも「使いにくいこと」でもなく、「誰がどう作ったのか、中身が誰にも分からない状態」です。
見よう見まねで組まれた独自のマクロやツギハギのネットワークは、作った本人にしか解読できません。担当者がいなくなってから壊れたブラックボックスを他人が解読・復旧するのは、新しく作り直すよりはるかに時間とコストがかかります。
解消の4ステップ
ステップ1:現状の棚卸し(所要1〜2週間)
社内で使っているシステム・マクロ・ツールを一覧にします。項目は「名前/用途/作った人/触れる人/壊れたら困る度」の5つだけで十分。まずA4一枚を目指してください。
ステップ2:ドキュメント化(重要度の高いものから)
「壊れたら困る度」が高いものから、パスワードの保管場所・操作手順・データの場所を記録します。完璧なマニュアルは不要で、操作画面の録画を撮っておくだけでも価値があります。
ステップ3:引き継ぎ先の確保
担当者以外にもう1人「触れる人」を作ります。社内に適任がいなければ、外部のIT顧問を「共同管理者」にする方法もあります(パスワードや構成情報を第三者が把握している状態を作る)。
ステップ4:段階的な作り替え
「あの人しか使えない複雑なエクセル」を、誰でも直感的に操作できるシンプルな仕組みに少しずつ移行します。一気に全部やる必要はありません。壊れたら一番困るものから1つずつです。
「今はあの人がいるから大丈夫」が一番危ない
病気、家庭の事情、急な退職——人が不在になるリスクは常にゼロではありません。時限爆弾のスイッチが押されてから(退職の申し出があってから)引き継ぎを始めても、長年の暗黙知は数週間では伝わりません。対策は担当者が元気なうちにしかできないのです。
よくある質問
担当者に「信用していないのか」と思われそうで言い出しにくい…
「あなたが安心して休める体制を作りたい」という伝え方が有効です。実際、属人化の解消は担当者自身の負担軽減になります。
費用はどのくらいかかりますか?
棚卸しとドキュメント化は社内でもできます(実費ゼロ)。外部に共同管理を頼む場合は月数万円〜、作り替えは対象システムの規模次第です。
まとめ
ブラックボックス化の解消は「棚卸し→ドキュメント化→引き継ぎ先→作り替え」の順で、今日から始められます。
アントロワでは、御社の「変わらないIT部門」として、システムの中身やパスワード等の重要情報を責任を持って管理・共有する顧問エンジニアのサービスを提供しています。担当者がいなくなる前に、ぜひ一度ご相談ください。
