最近の経営者さんとの会話で、一番多いのがこれです。「AIは触ってるんだけどね、業務に落ちてないんだよね」。——そうなんです。ChatGPTで遊べることと、会社の仕事がAIで回っていることのあいだには、けっこうな距離があります。黒板に書いたとおり、大事なのはそこ。AIを業務にどう落とし込むかです。

落とし込みとは、「たまに使う」を「必ず使う」に変えること
僕の定義はシンプルです。落とし込みとは、思いついた人がたまに使う状態を、その業務では必ず使う状態に変えること。やる気や個人のセンスに頼っているうちは、AIはまだ会社のものになっていません。手順は4つです。
- ① 業務を工程に割る——「見積もり作成」なら、ヒアリング→仕様整理→金額計算→文書作成→送付。細分化の話と同じで、割らないと任せる場所が見えません
- ② 工程ごとに「AI」か「人」か仕分ける——下書き・要約・転記・たたき台はAI向き。判断・交渉・最終確認は人。全部任せようとせず、工程単位で切るのがコツです
- ③ 「いつ・誰が・どのAIで・どこに置くか」を固定する——「問い合わせメールが来たら、担当者がこの定型の頼み方で下書きを作り、完成品は共有フォルダへ」。ここまで決めて、初めて業務に落ちたと言えます。うまくいった頼み方(プロンプト)は会社の共有資産にしましょう
- ④ 1業務ずつ、順番に——一気に全社導入はまず失敗します。1つの業務で回り始めたら、次の業務へ。毎月1個でも、1年で12業務です
最初の1業務は「回数が多くて、型がある仕事」から
どの業務から落とすかで迷ったら、基準は2つ。回数が多い(毎日・毎週ある)、そして型がある(毎回だいたい同じ流れ)。メールの下書き、議事録の要約、報告書のたたき台あたりが定番の入口です。エンジニアでなくてもできるAI活用の話に例を載せているので、入口探しの参考にどうぞ。
そして、落とし込みの設計図づくり——業務を割って、仕分けて、置き場まで決める——は、まさに僕たちが毎日やっている仕事です。「うちの業務、どこからAIに落とせる?」の棚卸しから、一緒にやりましょう(≧∀≦)