ITのBCP対策(事業継続計画)で最低限やるべきことは5つ——①データのクラウド化 ②緊急連絡手段の複線化 ③重要書類のペーパーレス化 ④パスワード・契約情報の共有 ⑤復旧優先順位の文書化です。
愛知県からは南海トラフ地震の被害予測調査の更新版が公表されています。予測を目の当たりにすると怖くなりますが、大事なのは正しく恐れて「今できる準備」を整えること。愛知県で事業をする僕たちITの専門家の視点から、企業がやるべきITの備えをチェックリストにしました。

BCP対策には「ハード」と「ソフト」がある
企業の地震対策には、社員の命を守る防災グッズ・避難経路の確保(ハード面)と、被災しても会社を倒産させないためのデータ・仕組みの保護(ソフト面)の2つがあります。この記事は後者、つまり「会社を再建できる状態を残す」ためのIT対策です。
ITのBCPチェックリスト5項目
① データを遠隔地に逃がす(クラウド化)
社内のPCやNASが揺れで落下・火災・津波で消失したら、顧客の連絡先も見積もりも経理データも失われます。「社内の別のHDDにバックアップ」は、建物ごと被害を受ける大規模災害では役に立ちません。クラウドのサーバーは遠隔地の堅牢なデータセンターにあるため、地元が被災してもデータは無傷。クラウド化の進め方はこちらの記事で詳しく解説しています。
② 連絡手段を複線化する
災害時は電話が繋がりません。社員との安否確認・業務連絡用に、LINEグループやビジネスチャットなど「電話以外の連絡手段」を平時から使い慣れておくこと。顧客向けにはホームページとSNSで状況発信できる体制を。
③ 重要書類のペーパーレス化
紙の契約書・図面は水濡れと火災に極端に弱いです。すべてとは言いません。「これが無いと再建できない書類」だけでも、スキャンしてクラウドに保管してください。
④ パスワード・契約情報の共有
社長や担当者が被災して動けない時、他の誰かが銀行・サーバー・会計ソフトにアクセスできますか? パスワード管理ツールや封印保管などで、「特定の1人の頭の中にしかない情報」をなくしておくことが重要です。
⑤ 復旧優先順位の文書化
被災後、何から再開するか(受注対応? 請求? 生産?)を平時に決めてA4一枚にしておくだけで、混乱時の初動がまるで違います。
よくある質問
費用はどのくらいかかりますか?
①のクラウド化が月1人数百円〜、②③④はほぼ無料(既存ツールの設定と運用ルールの話)です。BCPのIT対策は「お金より、決めて手を動かすこと」が9割です。
何から始めればいいですか?
①のクラウド化です。データさえ残っていれば、会社は再建できます。逆にデータを失うと、建物が無事でも事業の継続は困難です。
まとめ
南海トラフへの備えは「①クラウド化 ②連絡手段 ③ペーパーレス ④パスワード共有 ⑤復旧優先順位」の5つ。完璧を目指さず、今週①だけでも着手してください。
アントロワは愛知県一宮市の会社です。同じ地域で事業をする者として、地元企業のITのBCP対策を全力でサポートします。「ウチの場合は何から?」というご相談からどうぞ。
※セキュリティ対策の全体像は中小企業のセキュリティ対策 完全ガイドにまとめています。