バックアップの価値は「とっていること」ではなく「戻せること」で決まります。そして戻せるかどうかは、半年に1回、実際にファイルを1つ復元してみる「復元テスト」でしか確認できません。この記事では、そのやり方をチェックリスト付きで解説します。
なぜ「とっているのに戻せない」が起きるのか
ITのプロとしてあえて厳しいことを言うと、バックアップを「とっていること」自体には何の価値もありません。本当の価値が試されるのは、落雷でパソコンが壊れた時や、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)にデータをロックされた「いざという時」です。
中小企業の現場では、こんな「復元できない悲劇」が実際に頻発しています。
- データが壊れていた——バックアップ機器のランプは光っていたが、実は半年前からエラーで中身が空っぽだった
- 暗号化パスワードの紛失——設定した担当者が退職し、誰もロックを解除できない
- ウイルスとの共倒れ——PCに繋ぎっぱなしのHDDだったため、感染時にバックアップまで一緒に暗号化された
どれも「復元テストをしていれば事前に気づけた」ものばかりです。

復元テストのやり方(半年に1回・15分)
- テスト用のファイルを1つ選ぶ(重要すぎない、でも実際に使うファイル)
- バックアップから別の場所に復元してみる(原本に上書きしない! デスクトップの新規フォルダなどへ)
- 開けるか・中身が最新かを確認する
- 結果と日付をメモする(「2026/8/17 復元OK」の一行で十分)
あわせて確認する5項目チェックリスト
- □ バックアップは自動で動いているか(最終実行日時を確認)
- □ 復元の手順書はあるか(担当者以外でも戻せるか)
- □ 暗号化パスワードは複数人で共有・保管されているか
- □ バックアップ先はPCから切り離されているか(クラウドや別ネットワーク)
- □ ホームページのバックアップも対象に入っているか
よくある質問
全データで復元テストすべきですか?
いいえ、ファイル1つで十分です。目的は「仕組みが生きているか」の確認なので、全復元のリハーサルは年1回、重要システムだけで行えば理想的です。
ランサムウェア対策としては何が重要ですか?
「PCと常時接続していないバックアップ」を1系統持つことです。クラウドの世代管理(過去30日分を保持する機能)があれば、感染前の状態に戻せます。
まとめ
BCP対策(事業継続計画)の最重要項目はデータのバックアップ、そしてバックアップの最重要項目は「復元できること」。半年に1回・15分の復元テストを、ぜひ今日の予定に入れてください。
「テストしてみたら戻せなかった」「そもそも今の構成が正しいか不安」——そんな時は僕たちアントロワが現状の仕組みを点検します。いざという時に泣かないための15分、一緒にやりましょう。
※セキュリティ対策の全体像は中小企業のセキュリティ対策 完全ガイドにまとめています。